今回は、Comprehensible Input (理解可能なインプット、略してCI)について解説します。
CIとは、「理解可能なメッセージを大量にインプットすることで外国語を習得する」ことです。
この記事は次のことを知りたい人におすすめです。
- CIは従来型のやり方と具体的にどう違うのか
- どう応用すれば効率的に英語を習得できるようになるか
- 初心者が直面する課題は何か
- 実際にやってみてどんな効果があったか
最近、海外の語学系YouTuberがCIの考え方に沿った動画を数多く投稿するようになり、注目を集めています。
今の学習スタイルを見直して、より効率的に英語をモノにしたい人は、ぜひ最後まで読んでください。
僕は米国企業での実務経験10年以上。仕事は100%英語です。アメリカには3年住みました。
Comprehensible Input(CI)とは
CIとは、「理解可能なメッセージを大量にインプットすることで外国語を習得する」考え方のことです。
ポイントは「理解できるメッセージだ」ということ
理解できるメッセージとは、今の自分の実力で95%以上わかる内容のものを指します。これを大量にリーディング&リスニングして言葉を「学習」するのではなく身につける、つまり「習得」します。
背景にあるのは、外国語を習得できるのは、相手のメッセージを理解した時だけだという考えからです。
- 相手が言ったことを理解したとき
- 書いてある内容を理解したとき
- ジェスチャーや表情、絵/写真や動画など、言葉に付随する追加情報を得て、相手のメッセージを把握できたとき
従来のように単語帳を作って覚えたり、文法書を読んで構造を理解するのは意識的な「学習」であり、無意識的な「習得」ではありません。
コンテンツの選び方
- 未知の内容が5%前後の比較的易しいもの
- 自分が興味のあるテーマや、仕事などで実際に学ぶ必要性がある題材
トランスクリプション付きの動画をおすすめです。ジェスチャーや表情からも会話の内容を推測できるからです。
言葉の習得には精神状態が大きく関わる
加えて環境も大きく影響します。不安や自己肯定感の低さ、自信のなさは習得の妨げになります。
CIについてまとめ
ここまでをいったんまとめると以下の通りです。
- 言語は、理解可能なインプットを大量に行えば習得できる
- プレッシャーやストレスのない環境でインプットを行えば効率的に習得できる
【CIの課題】最初は全部わからない
興味を引くCIですが、実際にやってみると初めに大きな壁にぶち当たります。初心者は何を読んでもほとんど全部未知の単語だからです。
これだと、すごく短い文章の理解にとても長い時間がかかり、いつまでたっても量をこなすことができません。
【対策1】あらかじめコンテンツの関連情報、予備知識を得ておく
ざっくりでも話の背景がわかった上で文を読むと、ある程度流れを予測できるようになります。
【対策2】動画付きのコンテンツを見る
初めは教材として動画付きのコンテンツをおすすめします。たとえばリンゴという単語を知らなくても、登場人物がリンゴを指さして「an apple」と言えば、appleはリンゴだとわかるからです。
【対策3】簡単に語彙検索できる機能を持つアプリで文を読む
デジタルコンテンツで読むことをおすすめします。辞書検索機能を使って省力化できるからです。最初はわからないことだらけでも、辞書を見て、繰り返し読んで聞いていけば理解度は上がっていきます。
そうは言っても最初の数か月は忍耐が必要
一度に全部理解しようとしないで、6,7割理解したら次に進んでまた最初に戻ってやり直す方が効果的です。1回目と2回目では別のことに気づくことが多いです。
読む量が増えるにつれ、反復練習する回数は減っていきます。
僕は10分程度のミニストーリーを60話、4か月かけてインプットしました。その時覚えた単語は約3000語です。その後YouTube動画を中心に300本あまりインプットし、1年半で約15,000語覚えました。
実際にやってみてどうだったか
効果を実感したのは以下の点です。
- 語彙を覚えるスピードが上がった
- 名詞は日本語ではなくイメージで覚えるようになった
- 簡単な言葉の組み合わせで長く複雑なことを話せるようになった
- 単語を例文で丸ごと覚えるようになった
極力辞書なしで意味を推測しながら文意を考えていった方がよいです。先に語彙を調べてしまうと記憶に残りづらいです。
まとめ
- CIとは、今の実力で95%以上わかるメッセージを大量にインプットすることで、外国語を「習得する」という考え方
- プレッシャーやストレスのない環境でインプットを行えばより効率的
- 自分の興味があるテーマ、仕事などで実際に必要性のあるテーマを選ぶ
- 文章の理解を助ける動画付きのコンテンツがおすすめ。簡単に辞書検索できるオンラインコンテンツも合わせて使えば省力化できる
ではまた。Have a good one!
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