この記事では、6か月で日本語を話せるようになった韓国人、ハンさんの外国語学習方法をご紹介します。ちょっと信じられないスピードですが、彼女が言うには「6か月で十分」だそうです。
この記事は、以下の悩みを持つ人におすすめです。
- 「独学なんだけど今の英語勉強法はこれでいいの?」
- 「英語がうまい人は普段どんな勉強をしてるの?」
- 「どうやったら英語が話せるようになるのか教えて!」
語学習得パフォーマンスを上げたい人はぜひ読んでみてください。
【この記事の著者】
米国企業での実務経験10年以上。アメリカには3年住みました。チームで唯一の日本人。仕事のやりとりは100%英語です。
ハンさんは英中日韓のマルチリンガリスト
ハンさんは24歳の韓国人。英語、中国語、日本語が話せます。一番得意なのは日本語。日本語は20歳の時に半年間だけ勉強しました。
日本への留学経験なしの独学です。
コンセプト:「子供の学習プロセスに学べ」
*ハンさんのコメント*
「子供は、まず音だけで始めて、だんだん会話ができるようになっていく。だから大人も、聞き取れるようになるのが一番大事。読み書きはその後でいい」
「人間は、文字が書けるようになってからそんなに長い時間経ってない。だから『読んで書く』より『聞いて話す』からやる方が自然」
確かにそうかも。日本語の場合は、とりあえずひらがなを覚えれば辞書も引けるし発音もできるので、話せるようになりそうです。
学習ステップは「聞く→聞き取る→発音→発話→会話→書く」
ハンさんおすすめの学習ステップは次の通りです。
- 最初は黙って聞く
- 聞き取れるようになったら発音してみる
- 発音ができたら文章で言ってみる
- 文章を言えるようになったら会話してみる
- 会話ができるようになったら書いてみる
ポイント:例文を使ってシャドーイングし、自分の声を録音する
もう少しメージしやすいようにポイントを説明すると、
- 最初は文法を勉強する。音声付きの文法書を使う
- フレーズを耳で聞く
- 内容を理解するまで何回も聞く
- 聞き取れるようになったらしゃべってみる
- シャドーイングする
- シャドーイングができるようになったら自分の声を録音して聞く
録音する理由は、耳から入る自分の声は、他の人には違って聞こえるからです。
推奨コンテンツは「簡単で楽しめるもの」
おすすめはアニメです。理由は声優の発音がきれいだからです。韓国にはアニメだけで日本語を話せるようになった人がたくさんいるそうです。
ハンさん自身は、アニメがあまり好きではないので文法書を使ったそうです。
ポイントは「少しずつ毎日やる」
以下、おすすめルーチンです。
- 毎日30分くらい。6か月なら十分だと思う
- 毎日少しずつやる事が重要。日をあけて長い時間やると、習得スピードが落ちる
- 復習は必ずやる。1回で覚えるのは無理
- 「単語を毎日5つ覚える」など、具体的な目標を決める
- 無理な計画を立てて自分にプレッシャーを与えるより、毎日できる分だけやる
- 勉強と言うより楽しむ。自分が「どんどんできているなあ」と感じるのが大事
実際に中国語で試してみた
さて、以上を踏まえて、僕が中国語でハンさんメソッドを試してみました。僕の中国語レベルはHSK2(初心者レベル)です。
【使ったツール】
- 文法書:「一度読んだら絶対に忘れない中国語の教科書」
(選んだ理由)例文が数多く紹介されている。音声ファイルを無料ダウンロードできる。 - 学習アプリ:LingQ
(目的) 辞書検索の省力化、単語帳の自動作成、シャドーイングの効率化 - ボイスレコーダー:OM SYSTEM WS-882
(目的) 自分の声の録音、リピート再生の簡素化
※各ツールの詳細は、この記事の最後にまとめて掲載してあります。
まず文法書の例文音源をダウンロードし、LingQにインポートする
出版社のサイトにアクセスして例文の音声ファイルをダウンロードし、そのままLingQにインポートします。音声ファイルが細かく分かれていたので、レッスンも細かく分かれてインポートされています。
レッスンをひとつ選んで開きます。読み上げ機能で全文をリピート再生し、聞き取りを行います。青くハイライトされた単語は新出単語です。全体の文意を把握できなければ、クリックしてキーワードとなる単語の意味だけ先に調べます。
【参考】下のスクリーンショットは「那件事」という単語の意味を調べているところです。
聞き取りができたらセンテンスモードに切り替えて、1行ずつしつこくシャドーイングを行います。亀マークのボタンを押すとスロー再生できるようになっています。
自信がついたらLingQのスピーキングテストを使って達成度を確認します。
下のスクリーンショットはテスト画面です。上段が正解文、下段はLingQが僕の声で文字起こしした文です。1文字違ってますね。
ここでICレコーダーをONにして再びシャドーイングを繰り返し、再生音を聞いて差を把握します。確かに録音した自分の声を聞くと、違いがよくわかります。
いけそうだと思ったら、またスピーキングテストをします。
今度はパスしました。
効果はインプット中心からアウトプットへのシフト
今までと大きく変わったのは、学習時間の比重がインプットからアウトプットへ移ったことです。今まで自分の発音がいかに適当だったかを思い知らされたのは収穫だったと思います。
でも、やはり文法書の例文は退屈でした。会話本でもいいのではないかと思いました。観光やビジネスなど、自分のニーズに合った会話集をベースにすれば、6か月で基本的な内容は言えるようになるのは、本当だと思います。ただし並行して薄めの文法書は読んでおいた方がいいと思います。
考えてみれば日本人は、読み書きの勉強ばかりして「話せない!」と嘆いていると思います。話すことに特化して半年がんばって、ご褒美に海外旅行なんていいですね。
まとめ:基本的な会話であれば、確かに6か月でできる
英中日韓のマルチリンガリスト、ハンさんがおすすめする外国語学習法を紹介しました。コンセプトは「子供の学習プロセスに学べ」です。
- 子供は、まず音だけで始めて、だんだん会話ができるようになっていく。だから大人も、まず聞き取れるようになることが重要
- 学習ステップは「聞く→聞き取る→発音→発話→会話→書く」
- 推奨コンテンツは「簡単で楽しめるもの」
- 毎日少しずつやる。1回30分でOK。でも復習は必ずやる
- 新しい単語を毎日5つ覚えるなど、具体的な目標を決める
僕が実際にやってみたところ、基本的な会話であれば、確かに6か月でできるようになると思います。理由は学習時間の中でアウトプットの割合が増えるからです。特に発音は良くなります。
成功のカギとなるのは以下の3点です。
- 自分に合った楽しめるコンテンツを選ぶ
- 毎日やる
- 語彙検索やシャドーイングが簡単にできるツールをうまく使って効率化する
最後に:今回使ったツールのご紹介
以下の3点が今回の記事作成に使ったツール類です。
LingQについては、過去に紹介記事を書いてあるので興味のある方は下のリンクからご覧ください。
ではまた。Have a good one!
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