この記事は次のような人におすすめです。
- 単語の中のRとLをうまく聞き取れない
- そもそもRと Lの 発音の違いがわからない。みんな同じ音に聞こえるんだけど…
- 日本語の「ラリルレロ」じゃダメなの?
自信たっぷりに言った言葉のRとLが発音が思いっ切り間違っていたら恥ずかしいですよね。
アメリカ人にとってRとLはぜんぜん違う音なので、なぜ日本人がRとLを混同するのか理解できません。
実はRもLも「学校で習ったあれでしょ?」と思いこんでいたら聞き取れません。なぜなら複数の発音パターンがあるからです。
この記事では日本語のラ行、アメリカ英語のR、それとLの発音の違いをわかりやすく解説します。
【この記事を書いた人】
外資系企業での実務経験10年以上。アメリカには仕事で3年住みました。ブログを通じて「今すぐ英語を話せるようにならないとやばい人」へのサバイバルキットの提供を目指しています。
どういったケースでどう発音するかが理解できれば「あ、あのパターンね」と聞き分けられるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
日本人がRとLを聞き分けられない3つの理由
簡単に言うと、日常生活の中ではRやLを区別せず、ラ行でひとまとめにしているからです。
その1:先に外来語で覚えてしまった
最初にカタカナで見た単語は、元になる英語のスペルを見ないまま脳に記憶されます。当然発音は「ラ行の音」となり、後から英語式の発音で覚え直す羽目になってしまいます。
- カレンダー
- カメレオン
- カンガルー
各々の単語のスペルと発音はこうなります。
その2:英語のRとローマ字のRは同じ音だと思っている
ローマ字のRはラ行の音で発音します。
これをアメリカ人が聞くと、どちらかと言うとLに近い音に聞こえます。
アメリカ人が発音するとこうなります。
我々日本人は、アメリカ人がローマ字を英語読みしたのを聞いて初めて「こんなに違うのか」と実感するケースがほとんどではないでしょうか。
その3:英語に日本語のラ行の音は存在しない
日本語のラ行はflap rという種類の音で、アメリカ英語には無い音です。
舌の前面を歯茎に当て、はじくように離した直後に音を出すのが特徴です。
アメリカ英語のRは全く違う音
これに対してアメリカ英語のRは舌先を口の中のどこにもつけないのが特徴です。
犬の唸り声を真似るときの口と舌の形に近いです。
しかも2パターンあります。
パターン1:単語の最初にあるR(retroflex R)
単語の最初にあるRは、「う」の口の形から始めます。舌先はカールさせ、舌全体を後ろに引きます。
trainのように他の子音とくっついているRも同様に「う」の口の形から始める意識を持ちます。
パターン2:単語の後ろの方にあるR(bunched R)
単語の後ろの方にあるRは、口を軽く開いた状態で発音します。舌先はカールさせず、根本を後ろに引きます。
明るい母音[ar]の後
口を縦にあけて「あー」の後、あごの力を抜いてRを発音します。
日本語の「カー」は言い終えても口を縦に開けたままです。でも英語のcarはrを発音する時に下あごが少し上に戻ります。
暗い母音[ur]の後
直前にある母音の口の形のままRに続きます。スペルはer,ir,orと違いますが音は同じです。唇もあごもあまり動きません。舌全体を後ろに引きます。
次にLの発音を見てみましょう。
Lも2パターンある
アメリカ英語のLは口を少し開け、舌をとがらせて歯茎に押し当てるのが基本です。
パターン1:単語の先頭にあるL (light L / clear L)
口を少し開けて舌先を前歯の裏側の根元につけます。この時、鏡で口元を見ると、上の歯と下の歯のすき間から舌の裏側(血管があるほう)が見えるはずです。
日本語の「ラ」の場合は舌の裏側が見えません。ここが一番の違いです。
Lが単語の後ろにある場合は、舌をやさしくつけたり、全くつけなかったりします。これをdark Lと呼びます。日本人に限らず、韓国人、中国人も苦手としています。
パターン2:単語の後ろの方にあるL (dark L)
舌を軽くやさしくつけるケース
舌にも口にも力を入れないことがポイントです。弱めに発音します。
口の周りをリラックスさせ、口を上下に薄く開けます。この状態でこの状態で舌先を歯茎の根本につけます。舌はとがらせなくても歯茎につくはずです。
舌先を歯茎につけないケース
舌先がつかないLは語尾がleで終わる場合の発音です。食べ過ぎたときに出る「う~」という音に近いです。口の周りをリラックスさせて薄く開き、舌の後ろを持ち上げるとそれらしい声がでます。短くあいまいに言うのがポイントです。
ピーポーやアッポーではないので注意しましょう。口の形は「お」ではありません。
まとめ
- 日本人がRとLを聞き分けられない理由は両方とも日本語に存在しない音だから
- 外来語として覚えた時点でRとL両方を「ラ行」に置き換えてしまっている
- ローマ字のRイコール英語のRではないとわかってはいるが具体的な違いがわからない
- 日本語のラ行は、舌先が上あごがら離れたときに出る音
- アメリカ英語のRは、舌先が口の中のどこにもつかない、犬が唸るような音
- アメリカ英語のLは、舌をとがらせて上の歯の歯茎につけて出す音
他の発音についても知りたい方は、「あいうえおフォニックス」をおすすめします。子供向けですが大人でも目からウロコの内容なのでぜひ一度チェックしてみてください。
それではまた。Have a good one!
<参考資料>
VOX
VOX Why some Asian accents swap Ls and Rs in English
あいうえおフォニックス
RとLどっち?RとLの発音に自信がつく!カタカナの言葉が英語で上手に発音できるようになる
GB Voice Academy
American Accent Training for the “RR” Sound
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