気がつくと学生時代から何年も勉強しているはずの英語なのに話せない、聞き取れない…。
もしかしたら学習アプローチが間違っているのかも知れません。そこで今回は、英語の上達スピードを上げるためにはどんなアプローチをとればいいのか整理してみました。「あ、そうなの?」と考え方が変わるかも知れませんよ。
そもそも「英語」は勉強するものではない
まず、英語は「数学」や「歴史」のような「勉強」ではありません。また、必ずしも頭のいい人だけが英語をペラペラ話せるわけでもありません。
英語をどのようにマスターするかを考えたとき、新トレや楽器演奏のトレーニングにそのヒントが隠れています。具体的には、次の4点です。
- 反復練習に耐える忍耐力
- 良いコーチからのフィードバック
- 「耳コピ」
- 過程を楽しむ
英語は「勉強」というよりむしろ筋トレ
反復練習が大切
筋トレと同じように、英語は定期的に反復練習することで次第に身についてきます。最初は全くできなくても、今の自分の能力からちょっと上のものを選んで反復練習をすれば、しばらくすればそのテーマに慣れて、その範囲であれば自由に英語を操れるようになります。
ここでポイントになるのは、テーマが難しすぎても、簡単すぎても力がつかない、ということです。難しすぎるとフラストレーションが溜まるし、簡単すぎてもすぐ飽きてしまいます。
単調さに耐える忍耐力
反復練習は退屈です。飽きたら嫌いになる前に中断しましょう。ただ、せっかく付き始めたスキルが完全に抜け落ちてしまわないうちにまた後でやることが大切です。要は「がんばらないけど絶対あきらめない」アプローチ。例えば、
覚えられない単語はポストイットに貼って普段目につくところに貼っておく
「この単語を覚えたら自分はどう使うか」妄想する
覚えられない単語とその和訳にメロディーをつけ、歌にして覚える
毎日覚えた日の語数をメモしてモチベーションを維持する
など、自分を飽きさせずにやりきる方法を考えてやってみましょう。
良いコーチがからのフィードバック
経験を積んだ良いコーチからのフィードバックは、ひとりで思い悩む時間を節約できます。やはりお勧めはネイティブの専任英語講師です。プロの英語講師のメリットは、
- たくさんの事例を経験していて、受講者のラーニングカーブを知っている
- 受講者がどこでつまずくか知っている
- どのレベルの会話までついてこれるか判断できる
- 基本形をしっかり教えてくれる
- 実際に模範を示してくれる
- 課題を順番に矯正してくれる
ただビジネス英語のくくりだと、その講師に実際の職業経験がなければ、専門的な内容や、文脈を追うことは難しいです。
リスニングは音楽の耳コピと同じ
聞こえるままに口に出してみて、同じにならないのは耳が慣れていないか、口が回らないかのいずれかです。
耳が慣れていなくて聞き取れない
シャドーイングができないときはまだ耳が慣れていないので音源の再生スピードを下げましょう。0.75倍速で聞き取れなければ、リーディングに戻ってどこが聞き取れないのか、なぜ聞き取れないのか確認しましょう。いくつかの理由が考えられます
- 知らない単語
- 知らないパターンのリダクション(省略/脱落)やリンキング(連結)が起きている
- 想定外の語順
- 文化的背景を理解できていない
- 日本人にはなじみのない話題
原因がわかれば聞き取れるようになるので、再生スピードを上げて聞き取れるか確認します。
口がまわらない
耳では聞き取れているのに口が回らないのは英語で使う口や舌、のどの形、発生場所が思い通りにコントロールできないからです。これも勉強というよりは、トレーニングの部類に入ります。コツがわかればすぐできることでも、そのコツがわからないために何度も反復練習して、それでもできなくてやがていやになってしまうのはもったいない。やはり一番いいのは専任の英語講師の鼻から下の動きをまねてみるのが効果的です。
過程を楽しむ
実際に英会話をするためには、リラックスして会話を楽しむことが一番大切です。緊張すると知っているはずのフレーズすら出てこなくなってしまいます。
間違っても気にしない
母国語ではないので間違うのは当たり前です。コミュニケーションの手段は言葉だけに限りません。ジェスチャーや表情を大げさにしてみたり、補足としてデータやチャートを共有することで伝わることもあります。要は言いたいことが伝わればそれでいいのです。
ネイティブらしく話す必要は全くない
僕は現在、アメリカ系の会社で働いて10年になりますが、アメリカ人だけと話す機会はあまりありません。本社はアメリカでもセールスは中国、デザインはヨーロッパ、工場はフィリピン、開発はインド、物流はシンガポールなど、メンバーが世界中に散らばっているからです。本社に出張したとしても、そもそもアメリカは移民国家なので、全員が生まれも育ちも米国とは限りません。そこで話す英語はいわゆるテキストに出てくる「ネイティブイングリッシュ」とはかなり違います。だから日本語なまりの英語で全く問題ありませんし、そんなの誰もいちいち気にしていません。一番大切なのは、話す内容そのものです。
論点に沿って、正しいこと、結論に導くアイデア、お互いに役に立つことを話せばどんなにブロークンでもちゃんと聞いてもらえますよ。
まとめ
英語の習得は勉強というより筋トレや楽器のトレーニングに似ています。反復練習によって身についた英語力は、日本語を経由せずにダイレクトに脳と口を直結させて、思ったことがそのまま英語として出てくる手助けになります。今までとちょっと視点を変えて英語学習に取り組んでみませんか?
ポイントは以下の通りです
- 反復練習を継続する忍耐力をつける
- コーチからのフィードバックを受ける
- 耳コピの力をつける
- 過程を楽しむ
ではまた。
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