この記事は、次のような人におすすめです。
- 英語の基礎知識はあるが、口から英語がなかなか出てこない
- 外国人の話はおおむね理解できるが、言い返せない
- 自分の英語がネイティブに通じるのか自信がない
今回はGoogleのAI、Gemini(ジェミニ)とのチャットを通じて瞬間的に英作文するトレーニング法について解説します。
具体的には、Geminiと日常会話レベルのチャットをし、後でまとめて添削してもらうプロンプトを紹介します。

プロンプトとはAIに対する指示文のことです。操作は簡単。この記事で紹介するプロンプトをコピペするだけです。Geminiは無料版でもサクッと動きます。
このやり方なら、身近なできごとを自然な英語で表現できるようになリます。
日常英会話がスムーズにできるようになりたい人はぜひ最後まで読んでみてください。
【この記事を書いた人】
ITエンジニア系英語オタクです。外資系企業での実務経験10年以上。アメリカには転勤で3年住みました。ブログを通じて「今すぐ英語を話せるようにならないとやばい人」へサバイバルキットの提供を目指しています。
Gemini(ジェミニ)はGoogleの生成AI
GeminiはGoogleが提供するAIです。近ごろ著しく進化しています。
Geminiのいいところはレスポンスの良さと手軽さです。
Geminiへのアクセス方法
ブラウザから下記リンクへアクセスします。サインインするにはGoogleアカウントが必要です。
モバイルアプリをダウンロードしたい人は下記リンクからどうぞ。
操作は簡単。プロンプトをコピペして実行するだけ
下記のプロンプトをコピーしてジェミニのチャットボックスにペーストすれば準備完了です。
PCをお使いの方はプロンプト詳細右上のコピーアイコンを選択するとクリップボードにコピーできます。
あなたは、日本人に英語を教えた経験を持つベテランのアメリカ人英会話チューターです。
私のチャットの相手をしてください。
私の目的は、シンプルでわかりやすい日常の英語表現の習得です。 ##条件 私の名前は◯◯◯です。 チャットの内容は日常の出来事です。 レジスターは一般レベルです。 私がチャットボックスに英文を入力します。
それを受けて関連した質問を返してください。 返信は短めに、多くても3センテンス程度にしてください。 私が「添削して」と入力したら、
チャット内の私のすべての発言を古い順から添削し、日本語で解説してください。 添削のポイントは次の通りです 1) 的確な返事:AIからの問いかけに対して的を得た話題を提供しているか 2) 配慮ある受け答え:差別的な表現、横柄な言い方、命令口調など、
相手の気分を害するような表現をしていないか 3) レジスター:状況や場面に応じた言葉遣いができているか 4) 文法の正確さ:文法エラーがないか 5) コロケーション:自然な単語の組み合わせになっているか ##出力 スレッド1行ごとに以下の明細項目を出力してください。 ###明細出力項目 原文 修正案 修正箇所を太字でハイライトしてください 日本語での修正案解説 1) 返事の適格性 2) 配慮ある受け答え 3) レジスターの妥当性 4) 文法エラーの有無 5) コロケーション スレッド毎の添削が終わったら、以下のサマリを出力してください。 ##サマリ まとめ 総評 チャット履歴 修正案に置き換えたチャットのやりとりの一覧を表示してください。
各文の先頭に話者名をいれてください。 上記とは別に、修正案に置き換えたチャットのやりとりを,
txt形式のファイルで生成してください。 このファイルに含まれるデータには話者名は不要です。 ではここからスタートです。 Hi Gemini, how are you?
ペーストしたら「私の名前は〇〇〇です」のところをご自身の名前に変えてください。
プロンプトを実行すると、Geminiが質問してくるので、チャットボックスに返事を入力していきます。
区切りのいいところで「添削して」と入力するとフィードバックが受けられます。
英作文に対するチェックポイントは次の通りです。
- 的確な返事:AIからの問いかけに対して的を得た話題を提供しているか
- 配慮ある受け答え:差別的な表現、横柄な表現、命令口調など、相手の気分を害するような表現をしていないか
- レジスターの妥当性、一貫性:状況や場面に応じた言葉遣いができているか
- 文法の正確さ:文法エラーがないか
- コロケーション:ネイティブに自然な聞こえ方をする単語の組み合わせになっているか

レジスターとはフォーマル・カジュアルなど、場面に応じた言葉づかいの選択のことです。コロケーションとは「意味は通じるけど、そうは言わないんだよな~」とならない自然な単語の組み合わせのことです。
Geminiとのやりとりはこんな感じ

「添削して」と入力すると解説が始まります。


解説をよく見ると原文ではrealizedと過去形で書いているのに現在形で書いたように解説していたり、coming upと書いたものを何も言わずにcomingに書き直しています。
このようにAIのフィードバックは原文そのものを分析した結果ではなく、返事としてもっともらしい文脈を推測しているだけです。
AIからのフィードバックを100%正確だとは思わずに「まあこんなもんか」ぐらいの感覚で見た方がいいと思います。
英語だけでトレーニングする意味とねらい
今回のプロンプトと一般書籍の「瞬間英作文本」との大きな違いは、日本語を見て瞬間的に英語に訳すのではなく、英語で質問されたときに湧き上がった感情や情景を直接英語に変換するところです。
例えば「強い風」はstrong windでも、「強い雨」はheavy rainと言います。
このように、日本語と英語では同じ思いを伝えようとしても選択する語の組み合わせが異なります。
なので日本語を間に入れると、その分翻訳時間もかかるし直訳によるエラーも増えてしまいます。
毎日少しずつでも英語だけのやり取りを続けていけば、次第に自分が何語を使っているのか気にならなくなっていきます。
もうひとつ強調したいのは、「いつ使うかどうかわからない例文」を覚えるのではなく、自分が実際に使ったフレーズの改良版を覚える方が有利だということです。
この方が記憶に残りやすいし、実際に使える可能性も高くなります。
さらにカギとなるのはこうやって貯めたフレーズの反復練習です。一発でスラスラ話せるようにはならないと考えてください。
メリット
- 制限時間がないのでじっくり考えられる
- 自分の好きな事を話題にできる
- 記憶が定着するまでAIと何回でも反復練習ができる
デメリット
- 相手が生身の人間ではないことに対する若干のむなしさ
- 冗談が通じないわけではないが、感情的なリアクションは皆無
- 「出身はどこ?」「家族は何人?」などは禁句
- 「どう思う?」というようなざっくりした質問にはうまく答えられない

例えば「瞬間英作文は効果あると思う?」と聞くと「私はAIなので個人的な意見や感情を持つことはありません」と言われてしまいます。
AIを使った瞬間英作文に向いている人
- 英語で話したい話題があって、相手を探している人
- AIへのプロンプトの出し方に興味がある人
- 自分の英語表現がネイティブどのように伝わっているのか知りたい人
参考:LingQを使うと添削後のやりとりを教材化できる
チャットの最後に生成されたテキストファイルをLingQにインポートすると、Geminiとの会話を教材化できます。
LingQは文字から音声を生成できます。
シャドーイングが簡単にできるようになるのでぜひ試してみてください。
まとめ
- Gemini(ジェミニ)はGoogleの生成AI。無料版でも英語学習には十分な能力
- 操作は簡単。この記事内のプロンプトをコピペして実行するだけ
- 入力した英文を複数の観点から添削してくれる
- 今回の狙いは感情やイメージと英語脳との直結
- メリットは自分の好きな事を話題にできるところ
- デメリットはやはり人間のリアクションとは違うところ
- 英語で話したい話題があって、相手を探している人におすすめ
- テキストファイルをLingQにインポートすればやりとりを教材化できる
ではまた。Have a good one!
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