効率的にボキャブラリを増やすにはどんなアプローチがいいのか考えてみました。
ボキャブラリには2種類ある
普段意識することはありませんが、実は私達が覚えているボキャブラリには2種類あります。パッシブボキャブラリとアクティブボキャブラリです。
- パッシブボキャブラリ
読めて理解できるが、自分がその語を使って話せるかどうか微妙なもの - アクティブボキャブラリ
意味をよく理解できていて、スピーキングやライティングで適切に使いこなせるもの
一般的に、人はパッシブボキャブラリの方が覚えている語数は多く、アクティブボキャブラリはその中から生み出されていきます。英語学習の過程でその語がいろいろな場面で何度か出てくると、どのようなシチュエーションで使われるか、パターンがわかってきます。すると脳の中で次第にそれがアクティブボキャブラリに移行していき、その語を使って話せるようになります。
理解できる語の数を増やし、次第に話せる語に発展させていく
このプロセスを効率化するためには、ふたつのアプローチが考えられます。
- 多読でパッシブボキャブラリを増やす(ボキャブラリマイニング)
ベースとなるパッシブボキャブラリの母数を多読で増やします。使う教材は今の自分のレベルより同じかワンランク下げたものを選びます。その中で「まだ覚えていなかったのか!」と思えるような基本的な語を拾っていきます。つまり、知らない語を全部覚えようとするのではなく、再出の可能性の高いものに優先順位をつけて覚えていく、ということです。 - 反復練習でパッシブボキャブラリを脳になじませてアクティブ化していく
新しいパッシブボキャブラリが5個程度集まったら、それらを使って自分ならどんな文章を作るか考えてみます。特に思いつかなければ、その語はパッシブのままでいいのかも知れません。
自分で実際に文章を作ってみましょう。Youglishを使って、ネイティブがどんなコンテクストの中でその語を使っているのかを確認し、参考にしてみてください。
ネィティブの発音やアクセントを真似て、その語を使ったワンフレーズ丸ごと覚えるようにします。
Extensive readingとIntensive Reading
多読でパッシブボキャブラリを増やす作業をEntensive readingと呼びます。自分の好きなジャンルのものを題材に選んでください。毎日15分程度をExtensive readingに使って、覚えるべき単語を主体的に選んでいきます。何度も言いますが知らない語を全部覚えようとすると挫折します。
センテンス毎に、意味や発音を細かく確認していく作業をIntensive readingと呼びます。文章のパターンや意味、発音、イントネーション、アクセントなどを確認します。この作業の中でパッシブボキャブラリが次第にアクティブボキャブラリに切り替わっていきます。
覚えた単語は忘れてしまっても構わない
母国語でもそうですが、一度覚えた単語でも使わなければ次第に忘れてしまいます。脳の仕組みとしてそうなっているので、忘れてしまっても、そういうものだと割り切りが必要です。大切なのは「記憶作業が退屈で嫌な作業だ」と思わないことです。忘れたらまた覚えればいいだけのことです。Intensive readingに飽きたら多読やリスニングをして気持ちを切り替えましょう。
まとめ
ボキャブラリを効率的に増やすには、まず母数となるパッシブボキャブラリを多読で増やしていきます。その中から、「もし仮に自分がこの言葉を覚えたとしたら、どう使うか」をイメージして例文を作り、それを丸ごと暗記します。
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