大人におすすめの英語学習法まとめ

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この記事は、次のような人におすすめです。

  • 大人になってから英語を勉強しても、どうせ話せるようにはならないと思う
      
  • 世の中に「英語学習メソッド」が多すぎて、どれから何をやればいいのかわからない
     

目標を持って学習を始めることに年齢の制限はなく、社会人になってからでも英語を習得することは十分に可能です。

私の周りにも大人になってから英語を勉強し始め、海外との会議で自分の意見をズバッと言える人がいます。

そこで今回は、学び直しを前提とした、大人におすすめの英語学習メソッドをまとめてみました。

一番大切なのは、英語を学ぶ目的を明確にした上で、自分に合ったやり方を見つけることです。

この記事を参考に、自分に合ったメソッドを試してみてください。

可能性は無限大。でも何もやらなければゼロのままですよ。

【この記事を書いた人】
ITエンジニア系英語オタクです。米国企業での実務経験10年以上。アメリカには仕事で3年住みました。ブログを通じて「今すぐ英語を話せるようにならないとやばい人」へサバイバルキットの提供を目指しています。

  1. 目標:現状のレベルを確かなものに
  2. やり方:自分に合った短めのコンテンツを大量にインプット
    1. リーディング
      1. 精読: 英文を丁寧にじっくり読む
      2. スラッシュリーディング: チャンクごとに区切って前から読む
      3. 音読: 英文を声に出して読む
      4. 多読: たくさん読んで海外に関する知識を深める
    2. リスニング
      1. リピーティング: テキストを見ながら音声を聞いた後に復唱
      2. オーバーラッピング: テキストを見ながら音声と同時に発話
      3. シャドーイング: 音声から少し遅れて真似る
      4. リード、ルックアップ&セイ: チャンクごとに暗唱する
      5. リプロダクション: 1センテンス丸ごと再現する
      6. ディクテーション: 音声の文字起こし
  3. 何にフォーカスするか
    1. 単語:フレーズで覚える
    2. 文法:基本の英文法をしっかりマスターする
    3. 発声:英語特有の発声方法を身につける
    4. 発音:フォニックスがおすすめ
    5. 発話:アクセント、リズム 、 イントネーション、トーンを理解する
      1. アクセント:単語で強く言うところ
      2. リズム:アクセントの有無によりできるリズムのこと
      3. イントネーション:文に音の高低をつけること
      4. ピッチ:イントネーションを作るときの音の高さ
      5. トーン:口調や語気のこと
    6. 音声変化:並び合う単語の組み合わせによって音が変化する
      1. リンキング(連結):2つの音がつながる
      2. アシミレーション(同化):2つの音がつながって新たな音に変化する
      3. リダクション(脱落):音が省略される
      4. フラップ T:(Tの変化:):tがdやrっぽい音に変化する
      5. 弱系:文法的な役割の単語(機能後)は弱く発音される
  4. 反復練習の重要性
  5. 忘却曲線への対処
  6. 用語解説
    1. 解釈と読解の違い
    2. 音素と音節の違い
  7. まとめ

目標:現状のレベルを確かなものに

おすすめの目標は、「知っている文法・単語・発音を確実なものにして、使えるようにする」です。

例えば、中学校レベルの英語の単語・文法・発音の知識を使いこなすことができれば、簡単なニュースの読解、メールの読み書きができます。

日常会話でもそれなりに意思疎通を図ることができます。

多くの日本人の課題は、知識があっても使いこなせないところにあります。

だとすれば今持っている知識を財産として、それを運用できるようにすれば効率よく英語スキルを上げられるはずです。

具体的な数値目標と学習頻度の設定については以下の記事を参考にしてください。

やり方:自分に合った短めのコンテンツを大量にインプット

自分のレベルに合った2-5分程度の音声付き英文のインプットをたくさんこなすことをおすすめします。

インプットの蓄積がないと意味のあるアウトプットはできないからです。

インプットの重要性については別の記事でまとめてあるので参考にしてください。

次の章からはリーディングとリスニングのトレーニング方法を紹介していきます。後半になるほどハードになっていきます。無理せず自分に合った方法を取り入れてみてください。

リーディング

精読: 英文を丁寧にじっくり読む

精読の目的は、単語と文法の理解です。その英文に使われている単語や文法、構造に注目し、ひとつひとつ確実に理解しながら読み進めるやり方です。

日本語訳があればそれと照らし合わせて、文法や表現などでわからない箇所をクリアにします。

はまじ
はまじ

文法における日本語と英語の一番の違いは「語順」に関するルールです。英語は、語順が文章の意味を決めています。

スラッシュリーディング: チャンクごとに区切って前から読む

スラッシュリーディングとは、英文をチャンク(言葉のかたまり)ごとにスラッシュで区切り、先頭から読んでいくやり方です。

ネイティブと同じように、前から順に理解するので読む時間を節約できます。

音読: 英文を声に出して読む

音読とはスクリプトを見ながら英語を声に出して読むことを指します。

音読の目的は、文字・音・意味の同時把握です。

内容を意識しながら音読することで、文字・音・意味の3つが繋がり、英語脳が出来ていきます。

多読: たくさん読んで海外に関する知識を深める

多読とは、文字通りたくさん読むことです。分からない単語があっても飛ばし、ざっくりとした意味を把握しながらとにかく読み進める読書法です。

文献をたくさん読むことでリーディング力が高まるのはもちろん、ものの考え方や習慣、社会システムの違いなど、海外に関する知識が深まります。

リスニング

リスニングの目的は、英語固有の音を聞き分けられるようになることです。リスニング力を上げるには、その音を自分で発音できるようになることです。

発音できるようになれば、脳内で2つの音を区分できます。そうなれば正しく聞き取れるようになります。

リピーティング: テキストを見ながら音声を聞いた後に復唱

リピーティングとはテキストを見ながら音声を聞いて、聞き終えたらその音声をそのまま真似るやり方です。

リピーティングの目的は、単語や慣用句、英語表現の習得です。

オーバーラッピング: テキストを見ながら音声と同時に発話

オーバーラッピングは英語の音声に合わせて、音声に被せるように同時に英語を読んでいくトレーニングです。

オーバーラッピングの目的は、発音、イントネーション、リズム、アクセントの習得です。

テキストを見ながら、できる限り英語の音声に忠実に、リズム・スピード・発音の強弱を真似して同じように読んでいきます。

テキストの英文を見ながら音声と同時進行で遅れないように発話します。

シャドーイング: 音声から少し遅れて真似る

シャドーイングとはテキストを見ずに耳だけを頼りに音声を聞き、音声から1、2語遅れて自分も同じように発話するやり方です。

テキストは見ずに、聞こえてくる英語の音声を追いかけながら、少し遅れて同じ英文を繰り返し発声します。

聞こえてくる音声に集中し、何度も繰り返し練習します。

シャドーイングに関しては過去に別記事でまとめてあるので参考にしてください。

リード、ルックアップ&セイ: チャンクごとに暗唱する

リード, ルックアップ&セイは、まずフレーズを読み、読み終えたら目線を上げて暗唱をする学習法です。チャンク単位で英語を読んで(Read)、文字から目線を上げ(Look up)し、記憶を頼りに発話します(Say)。

リード,ルックアップ&セイでは、チャンク単位の理解から始めることから、文の構造から把握しやすく、効率的に文法を学べます。

リプロダクション: 1センテンス丸ごと再現する

一般的に、聞いた音声をそのまま繰り返す勉強方法をまとめて「リピーティング」と呼ぶこともありますが、音声を聞いてテキストを見ないでそれを繰り返すやり方を「リプロダクション(復元・再現)」と呼びます。

リプロダクションの目的は、アウトプット力の向上です。

音声をワンセンテンス聞いてた後再生を止め、テキストを見ないでそれを復唱します。

リピーティングとリプロダクションの違いは、テキストを使用するか否かです。

リプロダクションについては別記事でまとめてあるので参考にしてください。

ディクテーション: 音声の文字起こし

ディクテーションは、「書き取り」です。英語の音声を聞きながら、聞こえてきたものを、書き取っていきます。「文字起こし」とも言える作業です。

何にフォーカスするか

単語:フレーズで覚える

まずは聞いて、音をまねます。

覚えるときは、take a showerやbuy a ticket などのようにフレーズで覚えると、後で使いやすくなります。

単語やフレーズの意味を、アクションやイメージ、方向や感情としてとらえると、何か言いたい気持ちになったときに英語が出やすくなります。

暗記するときには「この単語を覚えたら自分ならどう使うか」を意識します。

実在する人や場所を入れて、リアルな文章を作ってみると、印象が強く残って忘れにくくなります。

文法:基本の英文法をしっかりマスターする

英語は語順が文の意味を決めます。単語をどのように並べればどのような意味になるのかを体系化したものが英文法です。そしてその基本は中学レベルの英文法です。

中学英語のインプットをおすすめします。同じ文法書を何度も繰り返すと脳に定着しやすいです。音声サンプルがあれば、音声を聞いた後に解説を読んだ方が、文法書を読み続けるより頭に残ります。

発声:英語特有の発声方法を身につける

日本語が主に鼻や口の周りを響かせて発音するのに対して、英語の音の響き方はもっとダイナミックです。

この違いを理解して、英語の発声(voice placement)を正しく行うことで、英語のリスニング力が向上します。

発声の重要性について詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。

発音:フォニックスがおすすめ

音声を聞いて「この音、どうやって出しているんだろう」と思ったらフォニックスを勉強してみてください。

フォニックスとは「スペルと音のルール」です。日本語との違いがわかるにつれローマ字読み、カタカナ読みから脱却できるようになります。

差がわからないと矯正できないので、自分の声を録音して客観的に比べてみる事をお勧めします。

フォニックスや発音に関しては過去の記事を参考にしてください。

発話:アクセント、リズム 、 イントネーション、トーンを理解する

日本語はアクセントを音の高低で表現しますが、英語は音の強弱で表現します。

アクセント:単語で強く言うところ

単語の中で強く言うところです。英語の発音記号では、アクセントの置かれる音節に「′」という記号がついています。

リズム:アクセントの有無によりできるリズムのこと

アクセントのある音節とない音節が交互に現れることでできあがるリズムのことです。

一度英文を書き出して、強調されている音節にチェックを入れてリズムをあぶりだすと、法則がわかってきます。

コツがわかると一気にそれらしく聞こえるようになりますよ。

イントネーション:文に音の高低をつけること

「イントネーション」とは、文に音の高低をつけることです。イントネーションを変えると、同じ文章でも異なる意図で伝わります。

ピッチ:イントネーションを作るときの音の高さ

「イントネーション」を作るときの音の高さを「ピッチ= pitch 」と言います。ピッチの高さも、高い低いの2種類だけではなく、4種類あります。

トーン:口調や語気のこと

トーンとは、口調や語気のことです。どんなトーンを使っているかで、話し手の感情を読み取ることができます。

はまじ
はまじ

発声、発音、発話の矯正は、ネイティブのプロから指導を受けるのが最も効果的です。別記事でおすすめのスクールを紹介してあるので参考にしてみてください。

アメリカ英語のリズムの中に単語がどう収まるのかを理解するには、洋楽のカラオケが一番だと常々思っています。関連する過去記事があるので参考にしてみてください。

音声変化:並び合う単語の組み合わせによって音が変化する

英語の音声変化とは、並び合う単語の組み合わせで起こる発音の変化のことです。たとえ単語帳で発音を正しく覚えても、いざ会話になったとたんに発音はどんどん変化します。その方が早く、スムーズに話せるからです。

音声変化を学習すると、リスニング力も伸びるし、スピーキングも楽になっていきます。

リンキング(連結):2つの音がつながる

最初の単語の末尾が子音で終わり、次の単語が母音で始まるときはつながります。back outは「ばかう」ときこえます。

アシミレーション(同化):2つの音がつながって新たな音に変化する

最初の単語の末尾と次の単語の先頭がくっついて別な発音になるケースです。例えばI need you.は「あいにーじゅう」と聞こえます。

リダクション(脱落):音が省略される

文が破裂音で終わる場合は発音しません。例えばStop it.は「すとっぴ」と聞こえます。前の単語が子音で終わり、次の単語が子音で始まる場合は、前の子音が脱落します。Let me know.は「れみのう」と聞こえます。

フラップ T:(Tの変化:):tがdやrっぽい音に変化する

t の前後が母音で、かつ、t を含む音節にアクセントが置かれていない場合に起こります。

waterが「うわだ」と聞こえるケースなどです。他にもいくつかパターンががあります。

弱系:文法的な役割の単語(機能後)は弱く発音される

文意上あまり重要ではない機能後は「弱く」「速く」そして「短く」発音されがちです。例えば代名詞や助動詞などです。

反復練習の重要性

反復練習は「知ってること」を「使えること」に転換するための訓練です。反復練習で瞬発力を身につけることができます。

瞬発力がつけば「英語が出てこない」という悩みを解決できます。

忘却曲線への対処

暗記は忘れることを前提に取り組むべきです。記憶作業は稲刈りではなく芝刈りです。根元から一度に刈り取ることは不可能で、深さを変えて同じところを何度も刈り取ることできれいな英語の芝生ができあがります。

覚えようとすると同時に、忘れないようにすると脳に残りやすくなります。

おすすめの学習間隔は以下の通りです。

  • 1回目の復習 - 学習した翌日
  • 2回目の復習 - 1回目の復習から1週間後
  • 3回目の復習 - 2回目の復習から2週間後
  • 4回目の復習 - 3回目の復習から1ヵ月後

どうやってアウトプットを増やしていくかは、以下の記事が参考になるので覗いてみて下さい。

用語解説

解釈と読解の違い

一つの文の意味を正確に理解するのが英文解釈、文章(文の集合)の趣旨や内容を正確に理解するのが英文読解です。

音素と音節の違い

音素とは、意味の違いに関わる音声的な最小単位のことです。音素は、/r/、/n/のように、通常 / /で囲んで表します。

例えば、日本語では「かきくけこ」の/k/の音と、「がぎぐげご」の/g/の音は違います。
カン/kan/とガン/gan/は違う意味です。

音節とは、ひとまとまりの音、つまり発音するときの最小単位のこと。英語では、母音を含む音のまとまりで1音節です。

ここで注意すべきは、母音は「スペル上の母音」ではなく、「発音上の母音」でカウントします。

例えば、

McDonald’sの場合: / məkˈdɑːnldz /
日本語:マ・ク・ド・ナ・ル・ド で6拍 
英語:Mc・Don・ald’s (マク・ドォーゥ・ナァゥズ) で 3音節 (3音)

です。

まとめ

  • おすすめの目標は「今持っている英語の知識を使って話せるようになる」
  • 方法は、自分に合った短めのコンテンツの大量インプット
  • リーディング
    • 精読: 英文を丁寧にじっくり読む
    • スラッシュリーディング: チャンクごとに区切って前から読む
    • 音読: 英文を声に出して読む
    • 多読: 英語の文献をたくさん読む
  • リスニング
    • リピーティング:テキストを見ながら音声を聞いた後に復唱
    • オーバーラッピング:テキストを見ながら音声と同時に発話
    • シャドーイング:音声から少し遅れて真似る
    • リード、ルックアップ&セイ: チャンクごとに暗唱する
    • リプロダクション:1センテンス丸ごと再現する
    • ディクテーション:音声の文字起こし
  • 何に注力するか
    • 単語:フレーズで覚える
    • 発声:英語特有の発声方法を身につける
    • 発音:フォニックスがおすすめ
    • 発話:アクセント、リズム、イントネーション、トーンを理解する
      • アクセント:単語で強く言うところ
      • リズム:アクセントの有無によりできるリズムのこと
      • イントネーション:文に音の高低をつけること
      • ピッチ:イントネーションを作るときの音の高さ
      • トーン:口調や語気のこと
    • 音声変化:並び合う単語の組み合わせによって音が変化する
      • リンキング(連結):2つの音がつながる
      • アシミレーション(同化):2つの音がつながって新たな音に変化する
      • リダクション(脱落):音が省略される
      • フラップ T:(Tの変化:):tがdやrっぽい音に変化する
      • 弱系:文法的な役割の単語(機能後)は弱く発音される
  • 反復練習の重要性
    • 反復練習は「知ってること」を「使えること」に転換するための訓練
  • 忘却曲線への対処
    • 忘れることを前提に復習を効果的に取り入れる
       

ではまた。Have a good one!

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